キューピーさん(たらこじゃないよ)
キューピーって某マヨネーズ会社の社名&ロゴみたいにもなっているし、日本で知らない人はいないし、ディズニーのミッキーマウスにもひけをとらないほど世界1.2を争うくらい有名なキャラクターだと思うけど、なんとなくアメリカ発?くらいなもので、ルーツを知らない人も多いのではないかと思う。キューピーは1909年、ローズ・オニールさんというアメリカ人女性イラストレーターが作り出したキャラクターで、アメリカの婦人雑誌「レディース・ホーム・ジャーナル」に掲載されたのが最初。皆が良く知っている手を広げたハダカの赤ちゃんのような、キューピー人形は、1913年にドイツで「ビスクドール」と言う形で発売されたものです。愛らしいキャラクターはブームとなり大ヒット、いろいろなグッズが生み出され、アメリカでは「キューピー狂時代」とまで言われ、それは今のキャラクターブームのさきがけといえるものでした。それからいままで、どうもキャラクターの認知が先行している感が否めないけれど、そもそもはローズ・オニールさんが、キューピーの絵物語を「母親が子供に読んで聞かせてあげてほしい」という願を込めて描いたのが最初です。
「キューピー」といいうのは1人だけでなく、たくさんいるんです。つまり「キューピー」というのは種族みたいなもので、キューピーヴィレというキューピーちゃんの住む村があり、チーフ、アーミー、クック、カーペンター、オーヴァーシューズ、ガーデナー、ボイス、ライフガード、インストラクター、ボンエット、ブランディブー、それからキューピーとそっくりなお顔をした「キューピー犬(キューピートゥドル)」という、一人一人名前と個性のあるキャラクターが、それぞれの力を合わせて、困ってたり落ち込んでいたりしている人間や、妖精や、お化けや、動物、あらゆる生きとしいけるもの達を一生懸命助けてあげる、心温まるかわいくやさしいお話なんです。ここにはブームとか商戦とか関係なく、ローズ・オニールさんが愛しい子どもを愛で育てるような感じで、自分の世界を大切に表現した姿が見受けられます。イラストをみればそれが良く伝わります。キューピーの誕生にあたってのローズさんのエピソードです。
「ある夜、わたしは夢をみました。私の周りを妖精のような小さなものが『キューピー』『キューピー』と呼びながら飛び回っていました。ひとりが小鳥のようにわたしの肩にとまりました。奇妙な感覚がしましたが、すぐに彼らが彼らのおなかのように真ん丸い温かなハートを持っていることがわかりました。そして彼らは哲学であると気づきました。」
どのキューピーさんもけなげで誠実でまじめで一生懸命で明るいです。ローズ・オニールさんはそのようなキューピーちゃんたちの愛の行動、「いいことを楽しい方法(Funny Way)で行う」ことを、「キューピッシュ・ラブ」と呼んだのでした。
某マヨネーズなんかに使われちゃうと、大量生産品というか、あとマスメディアの勢いに流され、どうもその辺の本来の姿が見えなくなっちゃうのが残念です。本当のキューピーちゃんの姿を知って欲しくて今回はテーマを「キューピー」としました。
キューピッシュラブを美しい詩とイラストで1冊のミニ絵本にまとめられた「ハートとキューピー」
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