« 2009年8月 | トップページ | 2009年11月 »

2009年9月

長澤英俊展-オーロラの向かう所-

Nagasawa2 昨日2009年9月22日シルバーウィークに、埼玉県立近代美術館・川越市立美術館・遠山記念館の3館でコラボレーション開催の、イタリアで活躍されている彫刻家・長澤英俊さんの展覧会「-オーロラの向かうところ(埼玉県立近代美術館/川越市立美術館」「NAGASAWA IN KAWAJIMA夢うつつの庭(遠山記念館)」を見に行ってきました。見たいと思っていたところ、グッドタイミングで知人からチケットをいただいたのでした(^^♪。

Nagasawa1 埼玉県立近代美術館では代表作のオブジェ作品の数々が置かれていた。正直それをみただけでは「?」なのだが、会場で同時上映されている1時間近くあるビデオを見、作家の作品に込める哲学・思想やルーツ、キュレーターの分析、本来はこれら数々の作品があるべき場所(作家のインスピレーションにかなった歴史アル場所等々)に置かれているのをビデオで確認しながらあらためて作品を振り返ると、ただ会場に「とん」と置かれている作品が、イタリアの教会や庭といった、気の遠くなるような歴史や空気を持つ場と相まって、一体化し、微妙に変化し、そこからまたイタリアの風土とともに長い歴史を刻んでいく。そこに作家のアイデンティティ深層意識たる日本の精神(イタリア人にとっては=異文化)のようなものも、なじみ融合しながらあたらしい「場」を時とともに形成していくのであることがわかり、非常に面白かった。Nagasawa3 そういう作品であるから、今回の遠山記念館という会場は、日本庭園や古い家屋のもつ雰囲気はもちろん木や石や畳という素材と作品が違和感なく、まるで最初からそこにあったように一体化している様子がすばらしかった。

また感心したのはイタリアの人々のアートに関する意識の高さ、皆で参加し作り上げようとする意識が違いますね、もちろん異文化である長澤の東洋思想を「自分たちにはない、思いもよらないもの」としながらも、それを興味ぶかく受け否定せず自分たちの文化に積極的に受け入れる懐の深さ、異文化をも取り込みさらに歴史を刻むべく発展させていこうという能動的姿勢に感銘をうけた。日本には残念ながらそのような度量も理解も、行政も市民も未熟であるといわざるを得ない。

にほんブログ村 イラストブログ 挿絵へ
にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (1)

ドゥシャン・カーライ「不思議の国のアリス/鏡の国のアリス」

ふふふ・・・

手に入れましたよ・・・・

Alica1 「ALICA v krajine zazrakov」

って、ルイス・キャロスのあのハンプティ・ダンプティやオイスターの出てくる「不思議の国のアリス/鏡の国のアリス」が一緒に収められている洋書絵本です(^0_0^)!

ドゥシャン・カーライさんの。

日本語版は絶版中で、何とか手に入れたく探し回っていたのデス!

スロヴァキア版というのがミソ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さすがにスロヴァキア語が全然わからないよ~!

この本の一番のお目当ては「ドゥシャン・カーライ」さんのイラストだからどこの国バージョンでも手に入ればいい!

ってくらいに思ってました。まずは手に入れること先決って!

でも文字って不思議!アリスのバージョンは世界各国にあり色々なイラストレーターや翻訳家がそれぞれに思いを込めてそれぞれの国バージョンを創られているでしょう?(コレクションしていくと面白いかもしれませんね!)

ですが、

カーライさんの絵の醸し出す雰囲気にはやはり、彼の育った土地の言葉であるスロヴァキア語が添えられているスロヴァキアバージョンのこの「ALICA v krajine zazrakov」がなぜか良いと気づいてしまった。

Alica3 絵と書体がしっくり馴染んでいるというか、違和感がない気がする。そしてそれがお互いの相乗効果になっている気がする。

私が洋書絵本が好きなのも無意識にそういう部分を感じ取っているのかも。その雰囲気を崩されたくないからかもしれません。日本語に翻訳され日本語で発行されたものはもちろんそれはそれで、内容をきちんと把握するために必要なのですが、どこか、ビジュアルで見たときの絵と文字のズレ、不協和音を醸し出してしまっているようで・・・

でも、だからこそ、思うわけです。

日本の日本語の文字の良さ・面白さも認めたい!

日本のひらがな、漢字は象形文字。それだけでアートなんですから!

文字だけで意味を表現しきれてしまうなんて凄いこと!誇りを持ちたい!

と、本題からちょっとずれてしまいましたが<^!^>

アリスの中身。

いつもながら、勝手に思うことを独断で述べさせていただきたいと思います o(_ _)oスミマセン

と・・・

まさにカーライワールド満載ですねー

色彩の洪水。

ドウシャンさんのイラストに出てくる生き物の目はどこか黒目がちでかわいいんだけどどの子も「妖・異形」の雰囲気を持っている。アリスも私たちのよくイメージする髪の長いエプロンをした清楚で真面目そうな美少女アリスとは全然違う。ドウシャンさんのアリスは現実に近いリアルな、耳が隠れるくらいのおかっぱ?頭の普通の子ども。その普通の子が踏み込んでしまったのは異端・異形のものがうごめく地。なぜかそのシチュエーションがいままでアリスに持っていたおとぎ話の夢のような世界という非現実的な綺麗な遠い世界ではなく、日本の昔話に潜む「逢い魔が時」のような妙に妖しい雰囲気をどろどろと醸し出しているようで、日常と障子一枚隔てているだけで、すぐ傍にいつも異界がちらちら顔を覗かせている、一歩境界線を越えればそのアヤシゲでおどろおどろしい雰囲気の中に迷い込んでしまいそうなムードに、日本人である私は(?)なぜか懐かしさを見出してしまったのでした。(意味不明?すみません)

つまり

ドウシャンさんの世界感。圧巻です。と言いたい!

おまけに・・・

Alica2 ページをめくっていくと、右下にちょこんと例のうさぎくんがいます。
「パラパラ絵本」になっていて、ぱらぱらめくっていくと生き生きと動き出しでんぐり返ししたりする。ドウシャンさんの遊び心が見え隠れします

にほんブログ村 イラストブログ 挿絵へ
にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ナポリフラッグ続き(^^♪

good黒田維理作品集「ナポリフラッグ」つづき(^^♪

<"白い便器のような器物感で、それでいて妙に柔かなトルソ"を抱え逃げ惑う男>の様子を眺めている<別の男>と彼のその後の思わぬ展開を描いた「アムネジアのある男の肖像」、男がレストランでナイフをおろそうとしたとき、突然肉の中央部に現れた眼ににらめつけられる「レストランの男」、ラッシュアワーを逃れるため特殊な力を身につけてしまったサラリーマンの、こちらは詩でなく短編小説の「飛行術の男」、同じく妻の頭の中を覗き見るため手術を施す奇妙なドクターの話「穿顱術」など、どこかシュールな作品が面白いheart04happy01

レストランの男

男がフォークをとり
さて とナイフをおろそうとした時
皿の上の肉がピクッとしたとおもうと
肉の中央部が眼蓋のように開いて
大きな眼が男を睨んだ

男は一瞬たじろいだが 素早く
あたりを見廻し
「ままよ」と呟きながら
その周辺の肉を大きく切りとり
さりげなく一気に呑みこんだ

" On verra ca "

と話している声が聞えたが
男はいっこうに こだわらない

リラダンのごとく バタイユのごとく
ブニュエルのごとく

男はリボリ通りへ出ていった
                   ―〈パリ〉

白石かずこさんが、本書後記に黒田作品を評して「北園克衛のモダニズムに、今日的、しゃれた、ウイット、ユーモア、それにクールと明澄さを加えたものであり、それはまさに天まで澄みきるような、めくるめく才能のキラキラ、きらめきと鋭さ、同時に美しい、イタズラな遊びさえみせた人であった。彼の作品を読んで、そのキラメク遊びの、表現のトリックに容易にだまされることを、好まなかった人がいただろうか。」とお書きになられているように、「上質な言葉あそびのトリック」と「モダンで究極に洒落ていながら、まるでシュールレアリスムの絵画を眺めているか」のような光景を同時に楽しめるのが、なんともオツgoodでありますhappy02

にほんブログ村 美術ブログ 水彩画へ にほんブログ村 美術ブログへ にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

スタイリッシュな黒田維理作品集 「ナポリフラッグ」

Naple3

ついに、ついに、我が家へやってきた黒田維理さんの作品詩集「ナポリフラッグ」!

やはりオシャレな装丁lovelyheart01heart04!手ざわり感のある紙に、シンプルな、シンプルすぎる白、ややクリームがかって・・・なんて美しいの・・・・

Naple4その装丁に 「ナポリフラッグ」の青緑の文字が、装丁のホワイトの上になんともエメラルドの宝石が煌いているかのように美しく・・・その下にやや小さめの「黒田維理」の黒文字。配置が絶妙のバランス!

あくまでシンプルに徹し、「白の美」。余計のものを入れない引き算された「余白の美」・・・

このステキな装丁のデザイナーは・・・島村アンさん!

Naple1 結構厚い!ボリュームがある!作品集だものね!

維理さんの描かれたカットが随所にちりばめられていてなんとも素敵!詩心と絵心のミナモト(源)は同じ。表に表れる形が違うだけだものねconfident

厚いからじっくり読みこなさなくちゃ・・・カテゴリは詩1950-60年代、詩1980年以降、短編、紀行文、随筆、論説、詩人白石かずこさんの後書きに分かれている・・・まず詩から。

人魚がくだびれた顔でオディシュウスを待っている

オディシュウスはなかなかやって来ない

すると彼女はコカコラの瓶になってしまった

・・・・・いいhappy02

つづきはまた・・・wink

にほんブログ村 美術ブログ 水彩画へ にほんブログ村 美術ブログへ にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年8月 | トップページ | 2009年11月 »