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ナポリフラッグ続き(^^♪

good黒田維理作品集「ナポリフラッグ」つづき(^^♪

<"白い便器のような器物感で、それでいて妙に柔かなトルソ"を抱え逃げ惑う男>の様子を眺めている<別の男>と彼のその後の思わぬ展開を描いた「アムネジアのある男の肖像」、男がレストランでナイフをおろそうとしたとき、突然肉の中央部に現れた眼ににらめつけられる「レストランの男」、ラッシュアワーを逃れるため特殊な力を身につけてしまったサラリーマンの、こちらは詩でなく短編小説の「飛行術の男」、同じく妻の頭の中を覗き見るため手術を施す奇妙なドクターの話「穿顱術」など、どこかシュールな作品が面白いheart04happy01

レストランの男

男がフォークをとり
さて とナイフをおろそうとした時
皿の上の肉がピクッとしたとおもうと
肉の中央部が眼蓋のように開いて
大きな眼が男を睨んだ

男は一瞬たじろいだが 素早く
あたりを見廻し
「ままよ」と呟きながら
その周辺の肉を大きく切りとり
さりげなく一気に呑みこんだ

" On verra ca "

と話している声が聞えたが
男はいっこうに こだわらない

リラダンのごとく バタイユのごとく
ブニュエルのごとく

男はリボリ通りへ出ていった
                   ―〈パリ〉

白石かずこさんが、本書後記に黒田作品を評して「北園克衛のモダニズムに、今日的、しゃれた、ウイット、ユーモア、それにクールと明澄さを加えたものであり、それはまさに天まで澄みきるような、めくるめく才能のキラキラ、きらめきと鋭さ、同時に美しい、イタズラな遊びさえみせた人であった。彼の作品を読んで、そのキラメク遊びの、表現のトリックに容易にだまされることを、好まなかった人がいただろうか。」とお書きになられているように、「上質な言葉あそびのトリック」と「モダンで究極に洒落ていながら、まるでシュールレアリスムの絵画を眺めているか」のような光景を同時に楽しめるのが、なんともオツgoodでありますhappy02

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